昨年、桐分校音楽主任の矢野口先生から、「松本市内の全中学生が聴いている鑑賞音楽会を、
桐分校生にもぜひ聴かせたい。」と強い要望があり、多くの方々の協力があって実現しました。
担任である倉科先生の「おさえつけるだけではダメなんです。」という言葉は、今も忘れません。
愛情のこもった方々に囲まれて、このような機会が生まれました。
昨年は「THE SOULMATICS」による公演で、
全力の歌声やメッセージは分校生に深く伝わり、感動に包まれました。
今年は、令和7年11月26日に、
筑摩高校通信制の高校生も一緒に、日本を代表する「太鼓芸能集団 鼓童」を鑑賞しました。
「鼓童」は、佐渡を拠点に生活し、厳しい日々の稽古に励んでおり、
そこから生まれる息の合った一糸乱れぬ太鼓の音は、聴いている人の心を揺さぶりました。
音楽の持つ力を目のあたりにし、いつもとはまた違う“希望の空間”を強く感じるひとときとなりました。
理事長 高山久代
■公演パンフレット

桐分校は、全国で唯一、刑務所内に設置された中学校です。
もう一度学び直したいと願う全国の受刑者が厳しい選考を経て、選ばれた者が年間勉学に励んでいます。
■桐分校URL(松本市ホームぺージより)
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/185/2207.html
鑑賞した桐分校生からの感想 ~抜粋~
・私は皆さんの太鼓の演奏を聴いて、最初の音から驚きの連続で、振動を感じた瞬間からたちまち魅せられてしまいました。
盛り上がってドキドキと高鳴る自分の鼓動と共鳴するような、不思議な高揚感と一体感があり、あれだけ大きな音なのに、
とても心地よく感じました。
大太鼓は音だけでなく、すべてからパワーが溢れていました。
普段の生活の中では、私たちは受刑者ですから、厳しいことや辛いこともありますし、
桐分校での勉強も難しく、苦労することもあるのですが、とても勇気づけられ、励まされました。
今回、「鼓(つづみ)」より何倍も大きな太鼓で「鼓舞」してもらったので、辛くなったら皆さんを思い出し、
残りの受刑生活や社会復帰後も頑張ります。
驚くほどの大きさの太鼓でしたが、それよりももっと大きなパワーをもらえました。
・演奏が始まると、私の心は鷲掴みにされ、そのまま太鼓の音色の世界へ引き込まれていきました。
バチから生まれた振動は、体全体を包み込むように感じました。
そして腹の奥底まで響き渡り、一曲一曲の中には言葉はないけれど、
太鼓の音色ひとつひとつに言葉やメッセージを感じることができました。
鼓童のみなさんの心が一つになり、太鼓の音だけなのに、一つの物語があるように私は感じ取ることができました。
太鼓の音色に勇気をもらいました。
社会へ出たら、絶対に鼓童の演奏会を、今度は家族と一緒に鑑賞したいです。
・太鼓の生の音から「頑張れ!」というメッセージが伝わってくるように聞こえ、
とても温かい想いになりました。
この先の受刑生活で、もし嫌なことがあったら、「鼓童」さんを思い出して、しっかり前へ進みたいと思います。
一生懸命に行う、努力する、決して挫けないことを学びました。
演奏中のにこやかな笑顔は忘れません。

筑摩高等学校通信制高校生からの感想 ~抜粋~
・全身を使い、全員が笑顔で本当に楽しそうに表現している姿に鳥肌が立ち、
今でも思い出すだけで興奮するほどの衝撃を受けました。
刑務所の中で生活していると感動する機会なんてないので、思わず涙が出てしまいました。
・出迎えの心遣いに感動し、刑務所でやる舞台だからといっておざなりにすることなく、
真心を尽くしてくれるプロの集団だと思いました。
二年間の修行期間に、農作業など一見太鼓とは関わりのないことも行ったが、
それらをやり遂げたからこそ今があり、無駄なことはなかったというお話がありました。
人生や私たちの受刑生活の中でも、無駄に思えることはありそうですが、
精一杯、全力を尽くすことが将来につながり、
「あの時があったから今がある」と思える日が来ることを信じて、全力を尽くしたいと思いました。
・太鼓の奏でる音の迫力と、体の芯まで響くビートで心が盛り上がり、
「頑張れ」と励まされ、応援されているような気持ちになり、
感動で涙を流しながら拍手しました。
変わりゆく世の中であっても、日本の良きものを後世に残そうと活動するメンバーの方々の強い想いは、
厳しい訓練を乗り越えてきたからこそ伝わるのだと感じました。

松本少年刑務所長 外尾 健一さまより ~抜粋~
厳しい修行を経て得ることができる高度な演奏を、聴くだけでなく、身体全体で感じたことにより、
曲の音や振動からメッセージをイメージしようとするなど、共感性や想像力を育む良い機会となりました。
この共感性や想像力の向上は更生の一助になったと確信しております。

出演した「鼓童」メンバーからのメッセージ
私たちはいつも、目の前にいるお客様に届けたい音があって、世界に発信したい想いがあって、
太鼓を打ち鳴らしています。
今回の桐分校での公演は、その「届けたい」という気持ちを、改めて強く実感させてもらえた時間でした。
さまざまな境遇の中で、それでも前に進もうと志を持ち、全国から集まった生徒の皆さん。
その強い意志は、言葉を交わさずとも、対面した瞬間に伝わってきました。
私たちの演奏も、いつも以上に熱を帯びていったように感じます。
演奏する側と、聴いてくださる側。
その間で熱のキャッチボールが何度も交わされる中、私はあの空間に、大きな希望を感じました。
前に進み続ける皆さんと、同じ時間、同じ空間を共有できたことは、本当に幸せなことでした。
そして私たち自身もまた、もっと前に進んでいこうと、これからに向けた希望を抱くことができました。
またいつか、どこかの公演会場で皆さんと再会できる日を願って、これからも旅を続けていきます。
太鼓芸能集団 鼓童 平田裕貴

『信濃毎日新聞』に掲載されました

ご支援くださった皆様のご紹介
■太鼓芸能集団 鼓童
佐渡を拠点に太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団。
一糸乱れぬ演奏で熱を帯びた音、そこに詰め込んだ「応援する想い」を届けてくださいました。

https://www.kodo.or.jp/
■アソシアード税理士法人
昨年に続き、ご寄付という形でご支援をいただきました。

http://www.asociado.co.jp/group/group.html
一つひとつのご支援が、人と音楽を結び、忘れられない時間を生み出しています。
舞台の上で響いた音の背景には、皆さまの想いがあります。
その温かな後押しが、次の公演へ、そして次の誰かの心へと受け継がれていきます。
今後とも、私たちの活動にあたたかなお力添えをいただけましたら幸いです。